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修了生の声

Cho Hyun Jung
鈴木 智子 2011年修了
現在の仕事 京都大学大学院
経営管理研究部附属経営研究センター 特定講師
専門分野 消費者行動、国際マーケティング
DBA取得論文 Diffusion of Self-Gift Consumer Behavior in Interdependent Cultures: The Case of Self-Reward Consumption Practice in Japan
現在の仕事の内容について
 現在、京都大学の経営管理大学院で自分の研究を進めるとともに、学生の講義を担当しています。京都大学は、「知の伝承」を通して広く人材を育成すること、最先端の研究活動を行い「知の創造」、「知的体系の構築」のため深く真理を探究することを使命としており、私も日々、教育と研究に取り組んでいます。現在の研究テーマは「消費と文化」。文化がどう人々の消費行動に影響を与えるかということと、消費がどう文化の形成に影響を与えるか、という二つの側面について研究しています。また、日本のみならず、東アジアにおける消費行動の文化差、更にはサービスのグローバル化についても研究を行っています。
DBAをめざそうと思った理由
 私は外資系企業、コンサルティング会社などで一貫してマーケティングに関する仕事に携わってきました。マーケティングの実務はやりがいもあり、非常に面白かったのですが、毎日を忙しく過ごす中、どうしても近視的になっていました。そこで、実務で行っていたさまざまなマーケティング活動を体系的にとらえ、マーケティングの意味について改めて考えたいと思うようになりました。これを実現するため、DBAをめざそうと思いました。
テーマの選定について
 リサーチ・クエスチョンを選定するまでに、かなり時間がかかりました。というのも、テーマを絞っていく中で、過去や現在の論文をたくさん読むのですが、自分の興味あることは大概、誰かがすでに研究していました。理論を学びながら、世の中で起きていることに目を向け、その中で、「新しい」ことを特定していくという作業を2年ぐらい続けました。ある時、「マイ中元」(自分にお中元を贈ること)というのが流行っているらしいよということを耳にしたのですが、日本の文化的特性について研究していた私には、それがとても奇妙に聞こえました。そこで、この消費行動について調べてみようと思いました。いろいろと調べていく中、「自己贈与」(自分にプレゼントを贈る)という消費行動が日本社会に浸透していったプロセスを明らかにするというテーマを見つけ、研究を進めました。日本社会では、他者とのつながりを大事にするという価値観や、自分を中心的に考えることが望ましくないという価値観が歴史的に共有されています。そのような中、なぜ自己贈与という自己中心型の消費行動が浸透し、当たり前になっていったのか。この一見矛盾する概念が共存していったプロセスを探ることにし、その成果をDBA論文として提出しました。
新しい行動が広がっていく事はイノベーションと考えられます。そこで、イノベーションの普及という切り口でDBA論文をとらえなおし、『イノベーションの普及における正当化とフレーミングの役割:「自分へのご褒美」消費の事例から』(白桃書房)を学術書として出版しました。
DBA在籍中の教員の指導はどのようなものでしたか
 教員によって、指導方法は異なると思います。担当教員が専門としている分野の研究について共同研究を行ったりする場合もありますが、私の場合は、指導教員の専門ではないテーマを選びましたので、自分で考え、出口を探していく、という感じでした。一橋ICSのみならず、国立本校にも行き、いろいろな教員の方からコメントやアドバイスを頂きました。各教員、専門分野と研究方法論が異なりますが、それぞれの見解から客観的なアドバイスや建設的なコメントを下さり、研究を前に進める上で非常に参考になりました。
仕事との両立はどうしていましたか
 私は、フルタイムの学生として入学したので、基本的には仕事はしていませんでした。とはいえ、研究費を工面するためにも、ティーチング・アシスタントやリサーチ・アシスタントの仕事をさせて頂きました。
今後の目指すキャリアについて
 野中郁次郎先生がやはりひとつの理想形ですね。野中先生の「知識創造理論」は、日本から世界に発信して日本型の理論を提唱し、それが世界中で認められています。
私の専門であるマーケティング・消費者行動の理論もアメリカ主体のものが多いのですが、アメリカと日本では、考え方やロジックの組み立て方に違いがあります。既存の理論に対して、日本ならではの新たな視点や枠組みを提示し、既存のものを塗り替えられるような研究を続けていきたいと思います。
DBAをめざす人へのアドバイス
 1つのテーマについて、真理を追究し、DBAの論文を書くということは、地道な作業の繰り返しです。研究は小さなステップの積み重ねであり、いきなり大きな問いに答えることは難しいと思います。言ってみればパズルを埋めていく作業のようなものですが、ひとつひとつの作業に必ず新しい発見がありますそうしたプロセスを大事にして研究に励むことができる人に、ぜひDBAの扉を叩いてほしいと思います。
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