ICS卒業生(2011年クラス)ウ ィン・エイ・カイン(Winnie)さん 会社再建成功秘話

2015/05/26

ウィン・エイ・カイン(Winnie)さんは、2011年クラスのICS卒業生で、現在は、母国ミャンマーで家族で経営されている縫製会社メイプルの執行役員として活躍されています。

Winnieさんは、ICSを卒業して母国に戻った後、瀕死の状況にあったその会社の工場経営を任され、ご本人の努力と従業員達とのチームワークで、見事に再建を成功させました。 その結果、2013年10月に、その成功のためのヒントをたくさん授けてくれた一般財団法人海外産業人材育成協会(HIDA)*から、 Best Manufacturing Practice Awardを、2015年2月には、日本の経済産業省後援による、ミャンマー商工会議所連盟と海外産業人材育成協会(HIDA)の研修成果追跡プロジェクトの中で500以上の会社の中からBest Achievement Awardを受賞されました。
また、2014年秋の同協会主催の成功事例大会では、280名の応募の中から選抜された10名の一人として、その研修経験と成果を報告されました。

*一般財団法人海外産業人材育成協会(HIDA)は、
主に開発途上国の産業人材を対象とした研修および専門家派遣等の技術協力を推進する人材育成機関です。

それでは、ここで、Winnieさんの会社再建成功秘話について、詳しくご紹介しましょう。

2012年に一橋ICSを卒業して母国ミャンマーに戻ると、Winnieさんはご両親からメイプルの工場経営を任されました。メイプルは1996年に設立し、日本向けを中心に、女性用の服や作業服など生産していましたが、日本市場の需要低迷や不安定なミャンマ一国内情勢の影響で、注文が途切れ、原材料の調達にばらつきが出て、顧客からの苦情も増加し、不良品の返品が増えるなど工場は瀕死の状態にありました。

彼女自身、製造業への対応知識や技術ノウハウを持ち合わせいなかったため、最初は彼女もその状態を見て途方に暮れたと言います。しかしながら、ICS卒業後の彼女は、それ以前の彼女とは全く違っていました。ビジネス経営に関する知識に加え、厳しい状況にも簡単にはめげない強さと自信、また、多くことにチャレンジしてみようという勇気を身に着けていました。 彼女はそれまでのメープルの組織に根付いていた古い文化や経営システムの問題点をすばやく察知し、人と人とのコミュニケーションの再構築を図り、組織の変革をもたらすことから始めようと決めたのです。Organizational Behavior, System Thinking, Problem Solving, Corporate Strategy, Negotiation Skills、Operation ManagementといったICSの授業で学んだことは、彼女のそうした組織変革に大いに役に立ったと言います。また、同じ頃、彼女はHIDAが日本とミャンマーの両国で開催していた繊維産業向け品質・生産管理等の短期研修プログラムにも出会い、トータルで2年間参加しました。顧客目線の継続的な「カイゼン」、コミュニケーション能力やチームワークの向上、組織開発の企業理念の確立、総合的品質管理(TQM)による問題解決など、彼女は、HIDAでの研修によって、さらにビジネス改善のヒントを得ました。

トレーニングから戻った初日に、彼女はマネージャー達にメープルの将来計画について語ったそうですが、彼らから聞かれた言葉はどれも「無理だよ、私達にはできない。」というものでした。そんな中で、彼女は、幹部20人によるチームを作り、会社の組織構成をトップダウン型からチームでの運営方式に変え、週2 回のぺースで研修で得た教訓を伝え続けました。彼女がチームに繰り返し問いかけたのは「自分が顧客ならどんな製品を買いたいだろうか。その製品はどんな工場で生まれると思うか。」ということでした。

さまざまな工夫の末、お互いを支え合いながら、協力して働くという体制を確立していき、一時40%もあった不良品の手直し率は、13% にまで改善されました。以前は1社だったバイヤーも4社に増え、日本だけでなく、オランダ、ドイツにも販路を拡大。今ではイオン(株)や伊藤忠商事(株)、旭化成(株)など、世界20社以上を顧客にしています。

社員教育にも力を入れ、2013年から90人を超える社員をHIDAの研修に派遣してきました。
「今、メープルには、『それも可能だ、私達にならできる。』と自信を持って言える社員がたくさんいます。」と彼女自身、自信にあふれた表情で語ってくれました。